チャプター 267

半月後――家同士の遺恨と企業間の抗争をくぐり抜け、ハワード・グループはようやく再び足場を取り戻していた。

もともとエミリーとチャールズは結婚式を十月に予定していた。だが、数々の出来事を乗り越えたあと、ハワード家は遠回しとも言い切れない露骨さで、できるだけ早く正式に夫婦となる二人の姿を見たがっているのを匂わせ続けた。

準備はほぼ整っていた。二人に、わざわざ待つ理由はない。こうしてチャールズがエミリーのために取り仕切った婚礼の日は、息をのむほど美しいローズ・マナーを舞台に、予定どおり訪れた。

夏の風が、千エーカーに及ぶ邸地の上を、酔うほど濃密な薔薇の香りとともに渡ってゆく。薔薇はどこまでも、...

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